乳化剤とは?役割や種類・含まれる食品例、アレルギーについて解説
乳化剤という言葉は聞いたことがあっても「どんな食品に、何のために使われているのか」を具体的に答えられる方は少ないかもしれません。
乳化剤には「水と油を混ぜ合わせる」以外にも、実はさまざまな役割があります。
そこで本記事では、乳化剤について以下を中心にわかりやすく解説しています。
・乳化剤とは?
・乳化剤の目的と役割
・乳化剤の種類と含まれる食品例
「乳化剤のよくあるQ&A」も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
乳化剤とは?
乳化剤とは、本来混ざり合わない水と油をうまく混合させる「乳化」のために使われる食品添加物のことです。
乳化のほかに、ケーキの泡立ちをよくしたり、豆腐の泡を消してなめらかな食感にしたりと、さまざまな目的で使用されます。
乳化剤は、たとえば次のような食品に使われています。
・パン
・アイスクリーム
・チョコレート
・ホイップクリーム
・バター、マーガリン
・マヨネーズ
・魚肉練り製品(ソーセージ、ちくわなど)
・ドレッシング
私たちがよく口にする食品に含まれていて、とても身近な添加物です。
乳化剤の目的と役割
乳化剤には主に8つの目的や役割があります。
・乳化
・起泡
・消泡
・分散 ・湿潤・浸透
・滑沢
・可溶化
・洗浄
具体例をあげながら簡単に紹介します。
乳化
乳化とは、水と油のように混じり合わない成分をうまく混合させることで、もっとも基本的な目的です。
乳化には次の2種類があります。
・水の中に油滴が分散しているO/W型乳化(水中油型)
例)乳飲料、アイスクリームなど
・油脂の中に水分があるW/O型乳化(油中水型)
例)マーガリン、バタークリームなど
起泡
空気を抱き込ませて泡を作り出す「起泡」も目的のひとつです。すぐに消えないように保護して安定させる効果もあります。
使用例
・ケーキやホイップクリームなどにボリュームを出す
・アイスクリームなどのなめらかさを出す
消泡
起泡とは逆に、液体に泡が生じないようにしたり、生じた泡を消したりする「消泡」の目的もあり、なめらかさを出すのに役立ちます。
使用例
・豆腐、ジャムなどをなめらかに仕上げる
・飲料などに生じた泡を消す
分散
粒子の細かい固体を液体の中で均一にする「分散」も乳化剤の役割です。
使用例
・ココア飲料(ココア粉末を水に分散している)
・チョコレート(ココア粉末をカカオバターに分散して固めている)
湿潤・浸透
濡れにくい固体を液体に濡れやすくする「湿潤」や、すき間をぬって内部に「浸透」させるのにも乳化剤が活躍します。
この働きにより、粉末食品に乳化剤を使うことで水に溶かしたときにダマになりにくく、チューイングガムなどの場合は歯への付着を防ぐ効果があります。
使用例
・カレー粉、プロテイン
・チューインガム など
滑沢
なめらかでツヤのある食品は乳化剤の「滑沢」によるものです。原料の流動性を高め、表面に光沢をあたえるとともに、機械に付着するのを防ぎます。
使用例
・タブレット菓子
・薬やサプリメントなど
可溶化
水に溶けにくい、または溶けない物質を分散し水に溶けたような状態が「可溶化」です。「乳化」だけでは液体が白濁したままですが、可溶化により透明になります。使用例
・油性香料(可溶化して透明な飲料に加えるなど)
洗浄
汚れを取り除いて洗う「洗浄」は、せっけんや衣料用洗剤などに代表される乳化剤の役割です。「界面活性剤」と表示され、野菜などの食品を洗う洗剤にも使われています。
なお、食品用乳化剤の洗浄効果は高くありません。
乳化剤の種類と含まれる食品例
乳化剤の代表的な種類として、以下の4つがあげられます。
・グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンエステル)
・ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖エステル)
・レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)
含まれる食品例とあわせてそれぞれ紹介します。
グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンエステル)
グリセリン脂肪酸エステルは、油脂から抽出した脂肪酸とグリセリンを反応させて作る物質です。安価で複数の効果があるため、乳化剤の中でもっとも多く使用されています。
例)
・生クリーム・マーガリンの乳化安定
・チューインガムやチョコレートの成分を均一に分散
・ケーキやアイスクリームの生地を起泡
・パンや麺類の品質改良
ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖エステル)
ショ糖脂肪酸エステルは、水に溶けるショ糖と油になじみやすい植物由来の脂肪酸を反応させて作る物質です。摂取すると体内で分解されるため、安全性が高いといわれています。
例)
・ホイップクリームの乳化安定
・ケーキの起泡
・カレールウの粘度調整
・パンの硬化防止
レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)
レシチンは、大豆の種子やアブラナ、卵黄の油脂から抽出したリン脂質で、天然由来の乳化剤です。
悪玉コレステロールを抑制するなどの効果が期待できることから、レシチンを主成分とした健康食品もあります。
例)
・マヨネーズやマーガリンの乳化安定
・パンの乳化、分散
・チョコレートの分離防止、口どけの向上
・麺の油はね防止
サポニン
サポニンは、キラヤ抽出物、大豆サポニン、チャ種子サポニンなどがあり、キラヤの樹皮、大豆の種子、チャの種子などから抽出した天然由来の乳化剤です。
高い抗酸化力があることから、サポニンを配合したサプリメントもあります。
例)
・乳製品の乳化安定
・清涼飲料水の香料を可溶化
・ビールの起泡
乳化剤のよくあるQ&A
ここからは、乳化剤のよくあるQ&Aを見てみましょう。
乳化剤はどんな食品に入っていますか?
乳化剤は次のような食品に含まれています。
・パン
・アイスクリーム
・チョコレート
・コーヒークリーム
・ホイップクリーム
・魚肉練り製品(ソーセージ・ちくわ・かまぼこなど)
・ドレッシング
・調味料
水と油を混ぜ合わせる「乳化」のほか、原料の泡立ちをよくする、固体を液体に均一に分散するなど、さまざまな役割があり、多くの食品に使われています。
またパントリー&ラッキーでは乳化剤不使用の食品を取り扱っております。
乳化剤をなるべく避けたいという方は是非パントリー&ラッキーでお買い求めください。
牛乳アレルギーの人は乳化剤を避けたほうがよいですか?
「乳化剤」とのみ表示されている場合は、アレルゲンの「乳成分」は含まれていないため、避ける必要はありません。
ただし「乳化剤(乳由来)」と表示があるときは避けるようにしましょう。牛乳の主要アレルゲンである「カゼインナトリウム」が含まれている可能性があります。
乳化剤は安全ですか?
乳化剤は安全で有効な食品添加物として、厚生労働大臣から認められているものです。また、食品衛生法によって品質や使用量などの基準も明確に定められています。
たとえば、基準のひとつに「一日摂取許容量(ADI)」があります。一日摂取許容量とは、毎日摂取し続けても健康へ悪影響がないとされる量のことです。
厚生労働省の調査によると、国民の添加物摂取量は一日摂取許容量を大きく下回っており、健康へ悪影響は少ないと考えられています。
無添加食品ならパントリー&ラッキー
乳化剤とは国に安全性を認められている食品添加物で、乳化のほか、起泡や消泡、分散などさまざまな目的で使われます。
乳化剤はパンやアイスクリーム、チョコレートなど身近な食品に含まれていますが、食品衛生法で明確な基準が定められていて、毎日摂取し続けても健康へ悪影響はないとされています。
乳化剤が含まれる食品を極端に避ける必要はありませんが、添加物の影響が気になる方は無添加のものを選びましょう。
パントリー&ラッキーは、食(おいしい)は愛(うれしい)をコンセプトに、食品添加物を極力使わない本物の食品を届けるスーパーマーケットです。徹底的に品質にこだわり、厳選した商品を実店舗とオンラインショップにて販売しています。
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