ショートニングの原材料は?製造方法や体に悪いといわれる理由も解説
サクサクのクッキーや、ふわふわのパンに使われるショートニング。さまざまなものに含まれていて、普段から私たちが口にする身近な食品です。
聞いたことはあるけれど「ショートニングの原材料は何か」「体に悪いといわれているのはなぜか」など、詳しいことは知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ショートニングについて下記を中心にわかりやすく解説しています。
・ショートニングの原材料
・ショートニングの栄養価
・ショートニングの製造方法
・バターやマーガリンとの違い
・ショートニングが体に悪いといわれる理由
ショートニングの摂取量を減らすためにできることも紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ショートニングとは
ショートニングとは、植物油を主な原材料とした無味無臭の食用油脂です。「口あたりをよくする、サクサクする」ことを意味する「shorten」が名前の由来で、ラードの代用品として誕生しました。
ショートニングを加えるとサクサク・ぽろぽろした食感に仕上がり、お菓子などのおいしさを引き出すために広く使われています。
ショートニングが含まれる食品例
・ケーキやクッキーなどの洋菓子
・スナック菓子
・パン
・揚げ物
・冷凍食品
・レトルト食品
・アイスクリーム
ショートニングは、お菓子やパン以外にもさまざまな食品に含まれていることがわかります。
ショートニングの原材料
ショートニングの原材料となる油脂は「植物油のみのもの」と「植物油と動物油混合のもの」の2種類です。
具体的には次のようなものがあります。
・植物油のみのショートニング
大豆油・なたね油・パーム油など
・動植物油混合のショートニング
植物油に、魚油・ラード・牛脂などを混合
動物油を混合したショートニングは、植物油のみを原材料としたものに比べて、コレステロール含量が高いのが特徴です。
100gあたりに含まれるショートニングの栄養価
さまざまな食品に含まれるショートニングには、どのような栄養価があるのでしょうか。
ショートニング(家庭用)100gあたりの栄養価
・エネルギー 889kcal
・たんぱく質 0g
・炭水化物 0g
・脂質 99.9g
(飽和脂肪酸 46.3g)
(一価不飽和脂肪酸 35.6g)
(多価不飽和脂肪酸 11.6g)
(コレステロール 4mg)
・ビタミンE 9.5mg
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ショートニング大さじ1杯分(約12g)のエネルギーは、約107kcal。栄養価のほとんどが脂質のため、摂りすぎには注意したいですね。
ショートニングの製造方法
あまり知られていないショートニングの製造方法ですが、マーガリンとほぼ同じです。
一般的なショートニングの製造方法は以下の通りです。
①植物油に水素を添加
液体を固体に変え、硬化させる
(動物油を使う場合は、ここで硬化した油に混ぜる)
②乳化
50~60度に保ちながら、乳化剤や酸化防止剤などを加えて撹拌(かくはん)する
③冷却
乳化液に窒素ガスを吹き込み、均一に分散・急冷する
④練り合わせ
バター粒のような固形油脂ができたら練る
⑤熟成
脂肪の結晶化を促進・安定させるため、一定温度で一定時間熟成させる
バターやマーガリンとの違い
サクサクした食感に仕上げるには欠かせないショートニングですが、同じ油脂であるバターやマーガリンとはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれ違いを解説します。
バターとの違い
ショートニングとバターの主な違いは、原材料と調理後の口あたりや香り、風味です。
バターは、生乳を原材料とする動物性の油脂。生乳からクリームを分離して撹拌し、乳脂肪を凝集させて作ります。
バターを使った焼き菓子は、クリーミーな香りと豊かな風味が広がり、しっとりした仕上がりに。
一方で、無味無臭でサクサクした食感に仕上がるショートニングは、素材の風味を活かせます。
マーガリンとの違い
マーガリンとの違いは、原材料と香り、風味です。
マーガリンは、コーン油や大豆油、紅花油などの植物油を練り上げた植物性の油脂。ショートニングと同じく植物油が主な原材料ですが、マーガリンには13~16%程度の水分や乳成分、食塩、香料なども入っています。
バターほどの香りはないものの、マーガリン特有の香りとあっさりとした風味があります。
ショートニングは体に悪い?
ショートニングが体に悪いといわれる理由は、製造過程で発生する「トランス脂肪酸」にあります。
ショートニングは、液体の油を固体に変化させる「硬化」のために水素を添加します。実はこの過程で「トランス脂肪酸」が生成されるのです。
トランス脂肪酸を大量に摂取すると、以下の健康リスクがあると指摘されています。
・悪玉コレステロールの増加
・善玉コレステロールの減少
・心筋梗塞など心臓病のリスクを高める
・アレルギー疾患
・肥満など
WHO(世界保健機関)が「トランス脂肪酸の1日の摂取量=総エネルギー量の1%未満」にするよう勧告しているため、表示義務や上限値を設定するなど、トランス脂肪酸の規制をしている国もあります。
しかし、日本では「日本人の一般的な食生活でWHOの勧告量を超えることがない」と考えられているため表示義務などの規制がなく、食品にどれくらいの量のトランス脂肪酸が含まれているのか、わからないのが現状です。
コンビニの惣菜や加工食品、外食などは便利な一方、トランス脂肪酸が含まれるショートニングが使われている可能性があります。
トランス脂肪酸による健康リスクを知り、偏った食生活にならないように注意しましょう。
ショートニングの摂取量を減らすためにできること
健康リスクが懸念されるショートニング。できるだけ摂取を控えたい方へ、ショートニングの摂取量を減らすためにできることを紹介します。
原材料表示を確認する
ショートニングはお菓子やパン以外に、インスタント食品やレトルト食品など、さまざまなものに使われています。原材料表示を確認し「ショートニング」と表示されているものは避けましょう。
しかし、外食や惣菜の揚げ油などにショートニングがどのくらい使われているかは、わからないことがほとんどです。
原材料表示を確認するほか、外食の回数を減らす、惣菜に頼りすぎないなど、健やかな食生活を意識するとショートニングの摂取量を減らせるでしょう。
代用品を使う
家庭でパンやお菓子作りをするなら、ショートニングではなく代用品を選びましょう。バターやオリーブオイル、ラードなどを使ってもおいしく仕上がります。
とくにラードは、ショートニング開発の原型でもあるため、サクサクした食感にしたい場合にはおすすめです。
しっとり仕上げたいお菓子にはバター、モチっとした食感に仕上げたいパンやピザにはオリーブオイルが向いています。
オーガニックショートニングを使う
家庭でショートニングのサクサク・ふわふわ食感を楽しみたい場合は「オーガニックショートニング」を使うのがおすすめです。
オーガニックショートニングは、有機JAS認証を受けた農園と工場で栽培から製造まで行っています。
水素添加をしない特殊加工のため、トランス脂肪酸はほとんど含まれておらず、健康リスクが気になる方にぴったりです。
無添加食品ならパントリー&ラッキー
ショートニングの原材料は、大豆油やなたね油などの植物油です。お菓子やパン以外にも、食感をよくするために冷凍食品やコンビニの惣菜などさまざまな食品に使われています。
しかし、ショートニングを製造する過程で発生する「トランス脂肪酸」は、さまざまな健康リスクが指摘されており、できるだけ避けたいものです。
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